い草畳の価格差は?国産・中国産とランクの違い
2026年8月12日 | コラム

畳の表替えを検討するとき、料金表を見て「同じい草畳なのに、なぜこんなに価格が違うのだろう」と感じる方は多いと思います。
い草畳の価格は、「国産か中国産か」が大きいですが、それだけではなく、い草の産地、長さ、織り込み密度、経糸の種類などによって品質が変わり、それが価格差につながります。
この記事では、い草畳の価格差がなぜ生まれるのか、国産い草と中国産い草にはどのような違いがあるのか、ランク別にどのような畳表を選べばよいのかを解説します。
い草畳の価格差はどこで決まるか
い草畳の価格は、主に以下の要素によって変わります。
- い草の産地
- い草の長さ
- 織り込み密度
- 経糸の種類
- 耐久性や摩耗のしにくさ
天然い草の場合、新品時はどのランクの畳もぱっと見同じように見えます。
ただし、数年使用して日焼けするとランクの違いが出やすくなります。上質な畳は、日焼けしたときに全体が均一に色変化します。一方で、ランクが下の畳は黒筋の混入が多くなったり、表面の摩耗が激しくなったりします。
つまり、い草畳の価格差は、使用を続けた後の状態にも関係しています。
畳表とは
畳表とは、畳の表面に張られている部分です。
昔ながらの畳では、天然い草を織り上げた畳表が使われます。現在では、天然い草のほかに、和紙表や樹脂表などもあります。
天然い草の畳表は、畳らしい香りや自然な肌触り、日焼けによる風合いの変化を楽しめることが特徴です。一方、和紙表や樹脂表は、色あせにくさやお手入れのしやすさを重視する方に選ばれることがあります。
畳表・畳床・畳縁など、畳の基本的な構造について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
国産い草と中国産い草の違い
い草の産地は、畳表の品質や価格に関わる大きな要素です。
国内では、熊本、福岡、広島、岡山、高知、石川などでい草が生産されています。その中でも熊本県と福岡県は主な産地として知られており、特に、熊本県は国産い草の約95%を占め、高品質で有名です。
国産い草の特徴
国産い草は、外国産と比べて、い草1本1本の密度が高い傾向があります。
しっかり成熟したい草を収穫し、選別したうえで製織するため、変色した草の混入が少なく均一できれいな仕上がりになります。
また、畳店として実際に扱っている私の感覚では、国産の天然い草は外国産に比べて香りが爽やかですっきりしていると感じます。
畳らしい香りやきれいな色合いを重視したい方は、国産い草を選ぶ方が多くなる傾向があります。
中国産い草の特徴
外国産のい草では、中国産がメインになります。
中国産のい草は、国産い草よりも価格を抑えやすいです。一方で、耐久性、香り、質感については国産い草と比べて劣ることが多いと言われています。
ただし、中国産のい草がすべて品質が悪いというわけではありません。等級によっては、国産い草と同等または同等以上のものもあります。特に、四川産のい草は、仕上がりが良いといわれています。
産地を確認する方法
産地によって品質が異なり、価格が変わると言っても、一般の人には見た目で産地は分かりません。
そのため、国産い草では、産地証明のQRタグや農家さんの写真入りの生産者ラベルなどによって、産地を確認できるようになっています。
国産い草を選ぶ場合は、畳店に産地表示や生産者ラベルを確認してみると安心です。
い草の長さによる品質の違い
い草は、長さによって品質が変わります。
一般的に、長さが長いほど、品質が高くなり、価格も上がります。また、長いい草を使った畳は織りが均一で、耐久性が高くなります。
| 長さ | 品質等 |
| 長い(120cm以上) | 高級品(目が詰まり、美しく長持ち) |
| 中くらい(100~120cm) | 一般的な品質 |
| 短い(90cm以下) | 安価(耐久性が低く、見た目も劣る) |
織り込み密度と経糸の違い
い草の織りの密度(本数)
一畳の畳表に織り込まれる「い草の本数」が多いほど、品質が高くなり、価格も上がります。
織りが密な畳ほど、見た目が美しく、耐久性も向上します。
| 密度 | 品質等 |
| 高密度(7,000~8,000本以上) | 高級品(耐久性が高く、肌触りが滑らか) |
| 中密度(5,000~7,000本) | 一般的な品質 |
| 低密度(4,000本以下) | 安価(摩耗しやすく、粗さが目立つ) |
経糸の種類
い草を織り込める本数は織り方によります。
い草畳の畳表は、綿糸・麻糸・麻綿の経糸(たていと)に、い草を緯糸(よこいと)にして織り上げます。
経糸は高級品から順に、麻麻、麻綿、麻、綿綿、綿の順になります。
経糸の強度が高いほどい草の織り込み本数が増やせ、目が詰まり厚みのある丈夫な畳表を織ることができ、耐久性が向上します。
い草畳のランク別価格相場
い草は長さによりランクが決められ、長いものほどランクが高く、価格も高くなります。
以下はい草畳のランク別価格相場になりますが、価格はあくまで目安となります。実際の費用は畳店にご確認ください。
| ランク | 価格帯(一畳) | 長さ | 密度 | 経糸 | 使用感 |
| 最上級品 (おすすめ品⑤) | 20,000円~ | 140cm以上 | 7,000本以上 | 麻綿or麻麻 | 最上級JAブランドひのさらさを使用 株の中で1番育っている1番草を集め製織した畳表 |
| 上級品一種用 (おすすめ品④) | 15,000円 | 130cm以上 | 6,000~6,500本前後 | 麻綿 | JAブランドひのさくらを使用2番草相当を製織した畳表 |
| 上級品三種用 (おすすめ品③) | 11,500円 | 120cm以上 | 5,500本前後 | 麻綿 | JAブランドひのさやかを使用2番~3番草を製織した畳表 |
| 中級品 (おすすめ品②) | 10,000円 | 110~120cm | 5,000本前後 | 麻綿 | JA新品種涼風を使用。茎が太く肉厚な畳表 |
| 下級品 (おすすめ品①) | 8,000円 | 110cm前後 | 4,000本~ | 綿綿 | 安価ではありながらJAS1等品以上の畳表 |
| 普及品 | 7,000円 | 120cm前後 | 5,000本前後 | 麻綿 | 中国産ではありますが麻綿の4本芯で下級品より織り込み本数が多め |
| 安価品 | 5,000円 | 100cm前後 | 3,500~4,000本前後 | 綿 | 中国産で安価品JAS2等品相当の品質 |
なお、当店で取り扱っているい草畳の表替えの料金はこちらになります。(税抜)
染土・無染土い草の違い
い草は刈り取った後、乾燥する前に染土を水に溶いた液で泥染めという作業をします。
泥染めをする理由
泥染めをする理由は、主に以下のようなものがあります。
- ムラのない均一な色合いになる
- 日焼けによる変色を防止する
- 弾力を保ちクッション性を良くする
- い草の表面を保護し耐久性がアップする
基本的に染土が付着している天然い草を使用した畳は製作時および納品時に拭き上げを行いますが、目の部分にはやはり多少残ってしまう場合があります。
無染土い草が向いている場合
最近では泥染めを行わない、い草の素材そのままの「無染土い草」もあります。無染土い草畳は通常の天然い草畳と違い、染土が付着していません。
そのため、染土の粉が気になる方や、呼吸器・アレルギー関係が気になる方などは、無染土い草畳がおすすめです。
少しでも不安がある場合は、畳店に相談し、実物や特徴を確認したうえで選ぶと安心です。
価格が高くなることがある理由
無染土い草は生産量が限られています。
そのため、染土を行っている天然い草と同等の規格仕様でも価格が高くなる場合があります。無染土い草を希望する場合は、取り扱いの有無や価格について、事前に畳店に直接確認すると良いです。
まとめ
い草畳の価格は、産地、い草の長さ、織り込み密度、経糸の種類などによって変わります。
国産い草は、仕上がりの均一さや香り、日焼け後の色合いを重視したい方に向いています。一方、中国産い草にも価格を抑えやすいというメリットがあり、等級によっては仕上がりのよいものもあります。
長いい草を使い、織り込み密度が高く、強度のある経糸で織られた畳表ほど、見た目や耐久性に違いが出やすくなります。
ただし、畳表は価格が高いものを選べばよいというわけではありません。自分の好み、部屋の使い方、使用頻度、予算などに合わせて選ぶことが大切です。
自分に合った畳の選び方が分からない、迷う場合は、お気軽にお問い合わせください。
